持続化補助金・災害支援枠10次とは?対象者・期限・必要書類を整理

持続化補助金・災害支援枠10次とは?対象者・期限・必要書類を整理

「能登で事業用設備が被災しているなら対象になるのか」「申請締切の10月16日までに書類をそろえればよいのか」。被災事業者から相談を受けた行政書士や中小企業診断士が、初回面談で判断に迷う場面があります。
今回の10次公募は、直接被害を受けた事業者すべてが対象になる制度ではありません。また、申請締切より早い2026年10月9日までに、支援機関確認書(様式3)の発行を依頼する必要があります。
この記事では、対象要件、期限、必要書類、経費管理、第三者支援の注意点を、公募要領で確認できる事実と編集部による実務上の整理に分けて解説します。

災害支援枠10次公募の対象者は限定されている

小規模事業者持続化補助金<一般型・災害支援枠>10次公募は、令和6年能登半島地震または2024年9月21日から23日の能登豪雨で被害を受けた事業者のうち、一定の要件を満たす小規模事業者等を対象としています。

ただし、被災していれば一律に応募できるわけではありません。初回相談では、少なくとも次の3点を分けて確認する必要があります。

  1. 補助事業を行う事業拠点が対象地域にあるか
  2. 対象となる災害で事業用資産に直接被害を受けたか
  3. 事業者の責めに帰さない「特別な事由」により、9次公募までに補助事業を行えなかったか

申請書や経営計画書を書き始める前に、この3点を確認すると、対象外の可能性が高い案件で準備を進めてしまう手戻りを減らせると考えられます。

対象地域は能登3市3町

対象地域は、石川県の次の6市町です。

  • 珠洲市
  • 輪島市
  • 能登町
  • 穴水町
  • 七尾市
  • 志賀町

公募要領における「被災地域に所在する」とは、登記上の本店所在地だけを指すものではありません。補助事業によって再建する店舗、工場、事務所などが対象地域内にあることが確認されます。

例えば、法人登記上の本店は金沢市にあるものの、輪島市の店舗を再建する場合には、登記所在地だけで対象外と判断することはできません。反対に、本店登記が対象地域内にあっても、実際にどの事業拠点で何を再建するのかを確認する必要があります。

やむを得ない理由で現地復旧が困難な場合には、被災地域外で行う補助事業も対象となり得ます。ただし、個別の事情によって判断されるため、地域外での再建を計画している場合は、移転理由、被災した拠点、移転後に行う事業を整理し、管轄の商工会・商工会議所または補助金事務局へ確認してください。

「直接被害」と「特別な事由」の双方を確認する

10次公募で特に注意したいのは、対象が「直接被害を受けた事業者」だけに限定されていないことです。直接被害に加え、事業者の責めに帰さない特別な事由により、9次公募までに補助事業を行えなかったことも確認されます。

直接被害については、自社の事業用資産に被害を受けたことを示す公的証明が必要です。公募要領では、市町村が発行し、事業所等の被災状況が分かる罹災証明書や被災証明書などが例示されています。証明書の名義は、原則として事業者名である必要があります。

ここでいう事業用資産の損壊等に、在庫や棚卸資産の損害は含まれません。「商品在庫に大きな損害が出た」という事実だけで、直接被害の要件を満たすと判断しないよう注意が必要です。店舗、設備、機械など、どの事業用資産が被害を受けたのかを証明資料と対応させて確認します。

公募要領が示す特別な事由の例には、次のような事情があります。

  • 仮設施設へ入居または入居予定だったものの、工事の遅れなどにより内装工事を完了できなかった
  • 公共工事の遅れなどにより、復旧工事へ着手できなかった

これらは例示です。個別案件が特別な事由に該当するかどうかは審査によって判断されるため、支援者が「この事情なら対象になる」と断定することは適切ではありません。

特別な事由は資料を整理して公式窓口へ確認する

取材時に確認した公募要領本文では、特別な事由を立証する書類の名称や様式が一律に定められていることを確認できませんでした。そのため、工事の遅延や公共工事との関係を示すために、どの資料が必要かを個別に確認する必要があります。

相談前には、次の情報を時系列で整理しておくと、事情を説明しやすくなります。

  • 当初予定していた復旧・再建の内容
  • 9次公募までに実施できなかった理由
  • 遅延の原因と発生時期
  • 工事業者や施設管理者などから受けた連絡
  • 現在の復旧状況
  • 今回の10次公募で実施する再建策

工事会社からの通知、工程表、仮設施設の入居予定を示す書類、公共工事の日程が分かる資料などが手元にある場合は、相談時に提示できるよう整理します。ただし、これらを用意すれば認められるという意味ではありません。事情の説明に必要な資料の種類と形式を、管轄の商工会・商工会議所または補助金事務局へ確認してください。

申請締切より先に「様式3の期限」を管理する

10次公募では、申請受付締切だけをカレンダーへ登録すると重要な手続を見落とす可能性があります。最初に管理したい期限は、支援機関確認書(様式3)の発行受付締切です。

主な日程は次のとおりです。

手続 日程
申請受付開始 2026年7月27日
支援機関確認書(様式3)発行受付締切 2026年10月9日
電子申請の受付締切 2026年10月16日17時
郵送申請の受付締切 2026年10月16日(当日消印有効)
交付決定予定 2026年12月頃
見積書等の提出期限 2028年9月30日
事業実施期限 最長2028年10月31日

災害支援枠の公募は、10次公募をもって終了すると案内されています。ただし、「最後の公募だから対象になる」ということではありません。対象要件を確認したうえで、様式3の期限から準備を逆算する必要があります。

様式3は事業者本人が支援を受けて依頼する

補助金事務局へ申請する前に、経営計画書(様式2)の写しを地域の商工会・商工会議所へ提出し、支援機関確認書(様式3)の発行を依頼します。発行時には、事業計画の内容や提出書類の過不足について確認を受けます。

様式3の発行受付締切後は、理由を問わず発行依頼を受け付けないとされています。そのため、10月9日当日に初めて相談するのではなく、計画の修正や資料の追加が生じることを見込んで早めに連絡する必要があります。

また、本制度は、申請事業者自身が商工会・商工会議所の支援を直接受けながら取り組む趣旨です。行政書士や中小企業診断士など、社外の支援者だけで相談や様式3の発行依頼を行うことはできません。

実務では、申請者本人が出席できる相談日を先に確保し、その日までに次の資料を準備する進め方が考えられます。

  • 対象者要件の確認結果
  • 罹災証明書等
  • 特別な事由の経緯をまとめた資料
  • 経営計画書の初稿
  • 導入・修繕する設備や役務の見積り
  • 公式窓口へ確認したい質問の一覧

様式3が発行されても、採択や交付決定が保証されるわけではありません。確認書の取得と審査結果は分けて理解する必要があります。

電子申請と郵送申請で確認する項目

電子申請には、GビズIDプライムまたはGビズIDメンバーが必要です。申請直前になってIDの準備不足が判明しないよう、利用できるアカウントの種類やログイン状況を早めに確認します。

第三者支援者へGビズIDのアカウントやパスワードを開示してはいけません。支援者が入力内容を確認する場合でも、認証情報を預からず、最終的な認証と申請操作を申請者本人が行う運用にします。

郵送申請も受け付けられますが、持参や宅配便による提出は認められていません。必要書類が提出されていない場合は失格となるため、発送前に様式名、添付資料、署名等の要否を公募要領と照合してください。同一事業者から応募できるのは1件です。

必要書類は「被害・遅延理由・再建計画」をつなげて整理する

応募者全員に必要な主な書類は、次のとおりです。

  • 応募対象者確認シート
  • 申請書(様式1)
  • 経営計画書(様式2)
  • 支援機関確認書(様式3)
  • 補助金交付申請書(様式4)
  • 被害状況が分かる罹災証明書等
  • 法人、個人事業主、特定非営利活動法人の区分に応じた決算・確定申告関係書類

必要書類を集めるだけでなく、それぞれの記載内容が矛盾していないかも確認します。審査は提出資料のみを使って非公開で行われ、提案内容についてのヒアリングは実施されません。書類だけを読んだ審査者が、被害から再建までの関係を把握できるように整理する必要があります。

「被害から再建まで」の時系列表を作る

公募要領では、基礎審査として必要情報の確認、対象要件への適合、事業を遂行する能力、申請者自身が主体となる取組であることなどが確認されます。計画審査では、事業再建に向けた取組としての適切性、被害の程度、自社分析、計画の有効性、積算の透明性・適切性などが評価されます。

編集部では、経営計画書を書く前に、次の項目を一つの時系列表へまとめる方法が有効と考えています。

整理項目 記載する内容の例
災害と被害 災害発生日、損壊した店舗・設備、営業への影響
実施できなかった事情 復旧予定、工事遅延等の発生時期、現在までの経緯
現在の状況 営業状況、仮設施設の利用、未復旧の設備
再建策 修繕、設備導入、広報、ウェブサイト改修など
必要経費 取引先、数量、見積金額、価格の根拠
目指す状態 再開する業務、改善を目指す販売活動や提供体制

例えば、「設備が壊れたので新しい機械を購入する」とだけ書くのではなく、どの設備が被災し、どの業務ができなくなり、なぜ9次公募までに再建できず、今回の設備導入でどの業務を再開するのかをつなげます。

これは行政書士や中小企業診断士向けに公表された公式チェックリストではなく、公募要領の要件と審査項目を基に編集部が整理した実務上の方法です。この表を作成しても、対象性や採択が保証されるものではありません。

過去に持続化補助金の採択を受けて補助事業を実施した事業者は、過去と異なる事業であることも求められます。過去の事業名、導入物、対象顧客、取組内容と、今回の再建事業との相違点を別欄で整理すると確認しやすくなります。

不明点は質問票にして回答を記録する

公募要領だけで判断できない事項を、申請者や支援者の推測で埋めることは避けます。特に次の事項は、必要に応じて公式窓口へ確認してください。

  • 個別の事情が特別な事由に該当し得るか
  • 特別な事由を説明するために必要な資料
  • 地域外で再建する場合の対象性
  • 個別経費が補助対象となり得るか
  • 交付決定前に支出した経費の取扱い
  • 商工会地区で使用すべき最新の公募要領、FAQ、申請様式

質問票には、質問日、質問先、質問内容、回答、参照を案内された資料を記録します。電話で回答を得た場合も、申請者と支援者が同じ理解を共有できるよう記録を残すことが望ましいと考えられます。

取材時点で商工会地区について確認できた公募要領は、2026年6月30日公開の暫定版第10版です。商工会地区で申請する場合は、申請準備時と提出直前に公式サイトを開き、更新版、FAQ、様式の掲載状況を確認してください。

補助内容と採択後の手続まで見据えて経費を管理する

事業用資産に直接被害を受けた事業者の補助上限額は200万円で、補助率は原則として補助対象経費の3分の2以内です。公募要領に列挙された複数の要件をすべて満たす場合には、定額補助となります。

対象経費としては、次の費目などが列挙されています。

  • 機械装置等費
  • 広報費
  • ウェブサイト関連費
  • 展示会等出展費
  • 旅費
  • 新商品開発費
  • 借料
  • 設備処分費
  • 修繕費
  • 委託・外注費
  • 車両購入費

費目名が公募要領に載っていても、個別の支出が自動的に補助対象となるわけではありません。再建計画との関係、必要性、実施時期、価格の妥当性などを確認する必要があります。

採択と交付決定は同じではない

採択後は、計上したすべての経費について、価格の妥当性を証明する見積書等を提出し、交付審査を受けます。採択された時点で、申請した経費の全額について支給が確定するわけではありません。予算等の事情により、申請額から減額される場合もあります。

見積書等の提出期限は2028年9月30日です。期限までに提出されない場合は採択取消となります。事業実施期限は最長で2028年10月31日ですが、この日だけを管理していると、先に到来する見積書等の期限を見落とします。

また、1件当たり100万円(税込)を超える機械装置等の購入には、価格の妥当性を確認するため、2者以上の見積りが必要です。該当する調達は、単一業者への発注を先行させず、見積条件と必要な比較資料を確認します。

遡及適用は補助対象を保証するものではない

10次公募には、交付決定前に実施した事業の経費を対象とし得る特例があります。地震については2024年1月1日以降、豪雨については2024年9月21日から23日の災害発生以降に行った事業の経費が、適正と認められた場合に補助対象となり得ます。

ただし、対象期間内の支出がすべて認められる制度ではありません。交付決定前に支払ったという事実だけで、補助対象性を断定することはできません。

遡及適用を検討する支出については、次の項目を経費台帳へ記録します。

  • 対応する災害
  • 経費区分と支出内容
  • 事業再建に必要だった理由
  • 取引先と金額
  • 発注日、契約日、納品日、支払日
  • 見積書、契約書、請求書、領収書の有無
  • 補助対象性について公式窓口へ確認した内容

対象になることを前提に資金計画を組むのではなく、対象外となる可能性も含めて資金繰りを検討してください。

第三者支援は内容と金額を申告する

行政書士、中小企業診断士、コンサルタント、制作会社などの第三者から申請支援を受けた場合は、料金の有無を問わず、申請上の確認事項に支援者と支援金額を記載する必要があります。着手金、成功報酬その他の名目を問わず、支援に関する金額が記載対象です。

支援を受けながら記載しなかった場合は、虚偽報告として不採択または交付決定取消となる可能性があります。事務局が第三者支援者へヒアリングや現地調査を行う場合もあります。

支援を開始した時点から、次の情報を記録しておくと申告内容を確認しやすくなります。

  • 支援者名
  • 支援内容と期間
  • 有償・無償の別
  • 着手金、成功報酬などの金額
  • 契約書、見積書、請求書
  • 支援者が関与した資料
  • 申請書への記載状況

同じ事業者が申請支援とウェブサイト制作、設備導入、修繕などを受注する場合は、申請支援と制作・施工業務の内容や料金を契約書、見積書、請求書で区分することが望ましいと考えられます。

なお、行政書士や中小企業診断士などが代理・代行できる業務の範囲は、資格法、契約内容、個別の行為によって異なります。本公募要領だけを根拠に一律の可否を判断せず、必要に応じて専門的な確認を行ってください。

まとめ|対象可能性を確認し、10月9日から逆算する

災害支援枠10次公募は、能登3市3町で直接被害を受けた事業者すべてを対象とするものではありません。事業用資産への直接被害に加え、事業者の責めに帰さない特別な事由により、9次公募までに補助事業を行えなかったことも確認される限定的な公募です。

行政書士や中小企業診断士が相談を受けた場合は、まず次の順番で準備を進めてください。

  1. 補助事業を行う拠点が能登3市3町にあるかを確認する
  2. 罹災証明書等で、事業用資産への直接被害を確認する
  3. 9次公募までに実施できなかった事情を時系列にし、説明資料の有無を整理する
  4. 判断できない事項を質問票にまとめ、事業者本人と管轄の商工会・商工会議所へ相談する
  5. 2026年10月9日の様式3発行受付締切をカレンダーへ登録し、相談日、様式2の初稿、見積りの準備日を逆算する
  6. 申請時から経費台帳と第三者支援記録を作り、採択後の交付審査に備える
  7. 電子申請ではGビズIDを第三者と共有せず、申請者本人が認証と最終申請を行う

特に、様式3の発行依頼を10月9日当日まで残さないことが重要です。まず公式サイトで管轄地区の最新公募要領、FAQ、申請様式を確認し、手元の罹災証明書、遅延理由を示す資料、経営計画の初稿をそろえたうえで、商工会・商工会議所への相談日を確保してください。

出典一覧

  1. 中小企業庁「『小規模事業者持続化補助金<一般型・災害支援枠>(10次)』の公募要領を公開しました」(2026-06-30)
  2. 商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金事務局「10次公募 公募要領 第11版」(2026-07-27)
  3. 商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金事務局「10次公募 申請受付を開始しました」(2026-07-27)
  4. 中小企業庁「補助金の公募・採択」(2026-06-30)
  5. 商工会地区 小規模事業者持続化補助金事務局「公募要領 暫定版 第10版(10次公募受付締切分)」(2026-06-30)

この記事はAIが生成し、編集長のチェックを受けて公開しています。

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