中小企業診断士のホームページ集客|支援実績ページに載せる内容と公開前チェック

中小企業診断士のホームページ集客|支援実績ページに載せる内容と公開前チェック

ホームページからの問い合わせを増やすために支援実績を紹介したくても、「企業名を伏せれば掲載できるのか」「売上などの成果をどこまで書いてよいのか」と迷うことがあります。
開業直後で掲載できる事例が少ないと、限られた実績を具体的に見せたい一方、支援先との信頼関係も損なえません。すでにサイトを運営している場合も、以前公開した事例の承諾範囲や数値の根拠がすぐには分からないことがあります。
支援実績ページは有力な判断材料になり得ますが、情報を詳しくするほど、秘密保持、個人情報、広告表現について確認する項目も増えます。
本記事では個別事例の法的な掲載可否や制度の解釈ではなく、WEB制作・集客設計の観点から、見込み客に伝える内容と公開前の確認手順を扱います。個別の適否は、契約、所属協会や受託元の規程、情報の性質を確認し、必要に応じて有資格者や関係機関へご確認ください。

中小企業診断士のホームページ集客で支援実績が果たす役割

見込み客が支援内容を自分ごととして捉えるためのページ

見込み客が知りたいのは、実績件数の多さだけではありません。「自社と近い課題を扱った経験があるか」「どのような進め方で支援するのか」「どこまで任せられるのか」を確かめようとしています。

たとえば、サービス紹介に「経営改善を支援します」とだけ書かれていても、製造業の原価管理に悩む経営者は、自社の相談に対応できるか判断しにくいでしょう。一方、支援実績に次のような情報があれば、相談後の進め方を想像しやすくなります。

  • 支援対象の業種や企業規模
  • 相談前に抱えていた課題
  • 中小企業診断士が担当した範囲
  • 実施した支援の内容
  • 支援後に確認できた変化
  • 支援期間
  • 類似する相談への対応範囲

ここでの目的は、成果を大きく見せることではありません。見込み客が自身の状況と照らし合わせ、相談先の候補にできるかを判断する材料を増やすことです。

独立開業直後で事例数が少ない場合も、件数を多く見せる必要はありません。まず1件について、課題、担当範囲、支援過程を丁寧に整理するほうが、「支援実績あり」という一文を並べるより、専門領域を伝えやすいと考えられます。

具体性を高めるほど確認対象も増える

企業名、ロゴ、代表者の写真、経営課題、成果数値を掲載すると、事例の具体性は高まり得ます。しかし、それらは同時に、掲載承諾や情報管理の確認対象でもあります。

中小企業診断士の登録規則には、業務上知り得た秘密の漏えい・盗用に関する規定があります。ただし、この規則がホームページの実績掲載方法を具体的に定めているわけではありません。また、大阪府中小企業診断協会の倫理規程は、同協会の会員を対象に、職務上知り得た秘密や情報の漏えい・利用、誇大・虚偽などの広告宣伝について定めています。全国の中小企業診断士に一律適用される支援実績掲載専用の基準として扱うことはできません。

したがって、「全国共通の正解をページ制作だけで決める」のではなく、案件ごとの契約や承諾内容を確認できる工程を設けることが重要です。

支援実績を掲載する前に確認したい6項目

1.掲載承諾の範囲

「実績として紹介してよい」という了承だけでは、何をどこまで公開できるかが曖昧になる場合があります。企業名の掲載を認めてもらっていても、ロゴ、担当者名、人物写真、成果数値、SNSへの転載まで含まれるとは限りません。

編集部では、少なくとも次の項目を分けて確認し、結果を記録する運用が安全寄りだと考えます。

  • 企業名
  • ロゴ
  • 代表者・担当者の氏名
  • 人物写真
  • 業種、地域、企業規模
  • 経営課題と支援内容
  • 成果数値
  • 支援時期
  • 掲載する媒体
  • SNSや別媒体への転載
  • 掲載開始日と終了日

書面による承諾が全国一律に義務付けられているとは確認できません。ただし、メールや確認フォームなど、公開を認められた項目を後から確認できる方法にすると、原稿の更新や担当者の交代があっても照合しやすくなります。

2.契約書や所属先規程の公表制限

支援先が掲載を承諾していても、業務委託契約や秘密保持契約に公表を制限する条項があるかもしれません。所属協会、勤務先、受託元、公的支援機関などに独自の規程が設けられている可能性もあります。

公開前には、関係する契約書や規程の名称、確認者、確認日をチェックシートへ記録します。内容の解釈や掲載可否に迷う場合は、自己判断で公開せず、契約の相手方、所属先または適切な専門家へ個別に確認してください。本記事では契約条項の解釈ではなく、その確認をWEB制作工程から漏らさない方法を扱っています。

3.個人情報が含まれていないか

個人情報保護委員会のガイドラインでは、法人その他の団体そのものに関する情報は個人情報に該当しない一方、役員や従業員などに関する情報は個人情報に該当すると説明されています。また、個人情報を特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱う場合は、原則として本人の同意が必要です。

支援実績に代表者名、担当者名、顔写真、個人を識別できる経歴などを載せる場合は、法人としての承諾だけで処理できるとは限りません。個人事業主に関する情報にも注意が必要です。

個別の掲載が目的外利用に当たるかどうかは、情報を取得した際の利用目的や契約内容によって異なります。該当性を一律に判断せず、誰の情報か、何の目的で取得したか、ホームページ掲載まで同意範囲に含まれるかを確認してください。

4.匿名事例から支援先を推測できないか

匿名事例は、企業名を削除すれば完成するとは限りません。次のような情報を組み合わせると、取引先や地域関係者が支援先を推測できる場合があります。

  • 市区町村などの狭い地域
  • 珍しい業種や製品
  • 正確な従業員数
  • 支援を実施した時期
  • 事業承継や再生支援などの経営課題
  • 特徴的な新規事業や海外展開
  • 固有性の高い成果数値

たとえば、「東京都内の製造業」だけでは候補が多くても、「従業員12人」「2025年に事業承継」「特定製品の海外展開を支援」と重なることで、関係者には分かる可能性があります。社名を検索して見つからないことだけを基準にせず、顧客、取引先、同業者、地域関係者の視点から読み直す必要があります。

一方、情報を削り過ぎて「ある企業の経営を支援しました」だけになると、集客上の判断材料が残りません。「食品製造業」「採用プロセスの見直し」「約6か月間」のように、見込み客が課題との共通点を判断できる粒度を検討します。

なお、一般的な「匿名事例」と、個人情報保護法上の「匿名加工情報」は同じ意味ではありません。ホームページの事例紹介を必ず匿名加工情報として作らなければならないという全国共通の公式ルールは確認されていないため、両者を混同しないようにします。

5.成果数値に説明できる根拠があるか

「売上が30%増加」「受注件数が2倍」といった数字は目を引きますが、数字だけでは支援の実態を正確に伝えられません。成果数値を掲載するなら、公開原稿とは別に次の情報を整理します。

  • 数値の出所
  • 計測した対象期間
  • 比較対象となる期間や基準
  • 算定方法
  • 中小企業診断士が担当した範囲
  • 市況、季節性、広告出稿などの外部要因
  • 支援先による確認の有無
  • 根拠資料の保存場所

たとえば「売上30%増」と記載する場合、前年同月比なのか、支援開始前の月との比較なのかで意味が変わります。診断士が戦略策定を支援し、実行は支援先が担当したのであれば、その役割分担も示したほうが、見込み客の誤解を抑えられます。

根拠を確認できない数字は掲載を保留するか、「販売計画と営業管理表の作成を支援した」など、確認できる事実の範囲へ表現を変更する方法があります。

6.誇大・虚偽または誤解を招く表現になっていないか

大阪府中小企業診断協会の倫理規程細則は、同協会の会員に対して、委託者へ過大な期待を与えるおそれのある誇大・虚偽の広告宣伝などを禁止しています。この資料は全国一律のホームページ掲載基準ではありませんが、成果の見せ方を点検する際の参考になります。

「この支援で売上が伸びた」と単一の原因に断定する表現や、「同じ方法なら成果が出る」と受け取られる表現は避けます。確認できた事実と、編集部または支援先による評価を分け、対象期間や関与範囲を添えてください。

また、成果を保証するような見出しにするのではなく、「実施した支援」「確認できた変化」「成果を見る際の前提」の順で示すと、支援内容と結果の関係を整理しやすくなります。

実名・匿名・非掲載の3区分で掲載方法を決める

掲載方法を実名か匿名かの二択にすると、判断に迷った事例を無理に公開してしまうおそれがあります。「非掲載」も含む3区分で整理すると、確認不足の案件を保留しやすくなります。

実名掲載

実名掲載を検討する際は、次の状態を確認します。

  • 掲載項目ごとの承諾内容を確認できる
  • 契約や関係規程の公表制限を確認できる
  • 原稿と成果数値を支援先と照合できる
  • 掲載媒体と掲載期間が明確になっている
  • 個人名や写真を含む場合の確認が済んでいる

これらは法的な適否を自動的に保証する条件ではありません。掲載判断を進めるための確認事項です。

匿名掲載

実名やロゴは出せないものの、支援内容の一部を公開できる場合は、匿名掲載を検討できます。ただし、「実名を削除したから掲載できる」とは判断せず、匿名で公開する項目についても支援先と確認する運用が安全寄りです。

原稿を作った後は、地域、業種、規模、時期、課題、施策を組み合わせ、支援先を推測できないか点検します。推測につながる情報がある場合は、地域を都道府県から地方単位へ広げる、正確な人数を規模区分へ変える、時期を年から数年間の幅へ変えるなどの調整が考えられます。

非掲載

次のような事例は、非掲載または確認が終わるまで保留とする選択肢があります。

  • 契約上の公表制限がある
  • 掲載承諾の内容を確認できない
  • 匿名にしても支援先を推測される可能性が高い
  • 成果数値の根拠を確認できない
  • 公開により支援先へ不利益が生じる可能性がある
  • 関係者間で公開範囲の認識が一致していない

非掲載は、集客コンテンツ制作の失敗ではありません。支援先との信頼関係を守り、確認できる別の事例に制作時間を振り向けるための判断です。

問い合わせにつながる支援実績ページの組み立て方

1事例を同じ型で整理する

実績ごとに書き方が異なると、見込み客は比較しにくくなります。次の順序で統一すると、相談前の状況から支援後の変化までを追いやすくなります。

  1. 支援先の概要
  2. 相談前の課題
  3. 中小企業診断士が担当した範囲
  4. 実施した支援
  5. 支援後に確認できた変化
  6. 成果を見る際の前提条件
  7. 類似する相談への対応範囲

各項目には、承諾を得て確認できた情報だけを入れます。空欄を埋めるために、支援先の状況や成果を推測してはいけません。

成果だけでなく支援過程を伝える

成果数値だけを並べると、見込み客は「何を依頼できるのか」を理解できないことがあります。ヒアリング、課題整理、計画策定、会議運営、進捗確認など、診断士が実際に担当した過程を示すと、依頼後の進行を想像しやすくなります。

たとえば「売上が増加した」だけではなく、「顧客別の売上構成を整理し、営業会議で使う案件管理表の設計を支援した。その後、支援先が確認した期間内で売上に変化があった」のように、担当範囲と確認できた変化を分けて記載します。数値を使う場合は、対象期間や比較基準も添えます。

類似相談への対応範囲も、事例から直接導ける範囲で書きます。特定事例の結果が別の企業でも再現されると断定せず、「同じ業種なら必ず対応できる」といった表現は避けてください。

実績一覧から次の比較材料へつなぐ

支援実績を読んだ人が、すぐ問い合わせるとは限りません。多くの場合、サービス内容、担当者の経歴、料金、支援の流れ、よくある質問などを見て比較します。

そのため、実績一覧から個別事例へ移動できるようにし、個別事例の末尾から関連するサービス説明へつなぎます。さらに、サービス説明から料金、プロフィール、支援の流れ、よくある質問へ移動できる構成にすると、検討に必要な情報を探しやすくなります。

開業直後でページ数を増やせない場合は、まず「サービス紹介」「プロフィール」「支援実績」「問い合わせ方法」の4要素を用意し、実績ページから関連箇所へリンクします。制作順は、掲載可能な実績の確認、事例原稿の作成、サービスページとの接続、問い合わせ導線の確認とすると、承諾未確認の原稿へ時間をかける事態を避けやすくなります。

公開後の更新で承諾範囲と掲載内容のずれを防ぐ

変更時に当初の記録を確認する

公開時には承諾範囲内でも、後日の更新で内容がずれることがあります。特に次の変更では、当初の承諾記録や契約を確認します。

  • 原稿の加筆
  • 写真やロゴの差し替え
  • 成果数値の追加・更新
  • SNSや別媒体への転載
  • 掲載期間の延長

変更時の再承諾が全国一律に義務付けられているとは確認できません。まず当初の承諾に変更後の利用が含まれるかを調べ、判断できない場合は支援先などの関係者へ確認してください。

管理台帳に保存先まで記録する

台帳には「承諾済み」とだけ書かず、確認に使った記録や根拠資料の保存先を記載します。

  • 対象となる事例
  • 承諾された掲載項目
  • 承諾記録の保存先
  • 契約・規程の確認日と確認者
  • 公開日と掲載期限
  • 成果数値の根拠資料
  • 修正・削除依頼の受付先
  • 最終確認者
  • 次回確認日

メール、原稿、画像、根拠資料を同じ案件名で管理すると、更新時に過去のやり取りを探す時間を減らせると考えられます。

既存ページは1〜3件から点検する

すでに複数の実績を公開している場合も、全件を一度に作り直す必要はありません。問い合わせに近い事例、成果数値を掲載している事例、長期間更新していない事例などから1〜3件を選びます。

点検では、確認にかかった時間、見つからなかった承諾記録、支援先の推測につながる情報、根拠を説明できない成果数値を記録してください。その結果を基に、自身のサイトで必須とするチェック項目を絞り込み、新しい事例にも同じ型を適用します。

まとめ

支援実績ページは、中小企業診断士のホームページ集客において、見込み客が相談先を比較するための重要な判断材料です。ただし、情報を具体的にするほど、掲載承諾、契約上の制限、個人情報、匿名事例の再識別可能性、成果数値の根拠、広告表現を丁寧に確認する必要があります。

企業名を削除しただけで、すべての事例を安全に掲載できるとは限りません。「実名掲載・匿名掲載・非掲載」の3区分を用意し、確認できた範囲に応じて振り分けると、集客上の具体性と支援先への配慮を両立しやすくなります。

今日から着手するなら、公開中または掲載予定の支援実績を1件だけ選んでください。管理表に「掲載承諾」「契約上の制限」「個人情報」「再識別可能性」「成果数値の根拠」「広告表現」の6項目を作り、確認できた項目には根拠資料の保存先を記入します。不明な項目には印を付け、誰へ何を確認するかを書き出したうえで、実名掲載、匿名掲載、非掲載のいずれかへ振り分けましょう。

出典一覧

  1. e-Gov法令検索「中小企業診断士の登録等及び試験に関する規則」(確認日:2026-08-07)
  2. 一般社団法人大阪府中小企業診断協会「中小企業診断士 倫理規程」(2012-04-02)
  3. 中小企業庁「中小企業診断士制度のQ&A集」(確認日:2026-08-07)
  4. 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(確認日:2026-08-07)

この記事はAIが生成し、編集長のチェックを受けて公開しています。

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