社労士のホームページ集客|顧問・就業規則・助成金から主力分野を選ぶ手順
ホームページを準備するとき、「顧問契約を前面に出すべきか」「就業規則や助成金支援にもページを割くべきか」と迷う開業社労士は少なくないでしょう。限られた予算と時間で全業務を詳しく載せようとすると、結局、何を相談できる事務所なのかが伝わりにくくなります。
全国調査の数字は候補を考える参考になりますが、新規開業者に適した分野や利益率を示す答えではありません。ホームページ集客では、対応可能な候補を分けて掲載し、検索から受任後までの結果を比べる仕組みが必要です。
社労士業務の具体的な対応可否や、助成金などの制度要件に該当するかは、個別事情に基づいて有資格者が判断する事項です。本記事では制度の適用判断ではなく、開業前後の社労士が集客候補を整理し、ホームページ上で検証する方法を扱います。
全国平均だけでは社労士の集客分野を決められない
業務別売上割合は市場の「正解」ではない
全国社会保険労務士会連合会は、2024年4月24日から6月9日まで、登録社労士45,401人を対象に「2024年度社労士実態調査」を実施しました。有効回収数は25,408人、有効回収率は56.0%です。このうち「開業・法人の社員」は15,251人でした。
個人事務所代表および社労士法人の代表社員14,469人を対象とした集計では、受託業務ごとの平均売上割合は次のとおりです。
| 受託業務 | 平均売上割合 |
|---|---|
| 手続業務(関連する相談を含む) | 41.5% |
| 労働・社会保険に関する相談業務 | 14.3% |
| 給与計算業務 | 14.2% |
| 各種規程の作成・改定・整備 | 10.4% |
| コンサル業務 | 7.3% |
| 助成金業務 | 4.8% |
| 執筆・講演業務 | 2.1% |
| その他 | 5.4% |
手続業務の割合が高いからといって、開業直後のホームページで手続業務だけを主力にすればよいとは限りません。この数値は調査対象事務所全体の平均であり、新規開業者に適した業務、地域別の検索需要、業務の難易度、利益率を示したものではないためです。
平均値は「他の事務所がどのような業務から売上を得ているか」を把握する参考情報として使えます。一方、自分の事務所で何を掲載するかは、提供できる業務、説明材料、営業地域、処理能力などを踏まえて別に決める必要があります。
顧問契約とスポット受注は分けて考える
同じ調査の個人事務所代表および社労士法人の代表社員14,469人について、売上に占める顧問契約受注の割合は平均71.9%、スポット受注は平均28.1%でした。顧問契約受注が売上の80~99%を占める回答者は40.1%、100%を占める回答者は17.1%です。
ただし、開業5年未満に限ると、顧問契約社数が0社の回答者は33.2%、1~9社は38.5%でした。平均は11.4社ですが、中央値は2社です。平均値は一部の契約社数が多い事務所の影響を受けるため、開業前後の状況を見るときは中央値も併せて確認した方が実態を捉えやすくなります。
調査報告書では、開業年数が長いほど顧問契約受注の平均割合が高くなる傾向も示されています。しかし、これは異なる開業年数の回答者を同時点で比較した横断調査上の関連です。開業から時間が経つだけで顧問契約が増えるという因果関係を示すものではありません。
ホームページでは、継続受注を想定する顧問契約と、就業規則の作成・改定などのスポット受注を別の導線で検証する方法が考えられます。顧問契約を目標にしながら、スポット相談への検索反応や受任結果も測れる構成にしておけば、一つの受注形態だけに判断材料が偏りません。
需要変化や将来志向を検索需要と混同しない
開業社労士および社労士法人の社員15,251人が、5年前と比べた顧客需要を回答した結果では、「増えた・やや増えた」の合計が、労働・社会保険に関する相談業務で71.5%、各種規程の作成・改定・整備で66.2%、手続業務で59.1%でした。
助成金業務では「増えた・やや増えた」が42.1%である一方、「減った・やや減った」も43.6%でした。この結果から、助成金業務の需要が一律に増えている、または減っているとは断定できません。
これらは回答者が認識した需要変化であり、検索回数、市場規模、問い合わせ率、成約率を直接測定した結果ではありません。「増えた」という回答割合が高い業務ほど、開業地域のウェブ集客でも有利だと考えるのは早計です。
また、「5年後、最も強みにしたい業務」では、コンサル業務が28.7%で最多でした。これは回答者の将来志向を示す数字であり、現在の受注件数や利益率の順位ではありません。全国調査は候補を見つける材料として使い、自分のホームページで得られた反応とは分けて扱う必要があります。
ホームページに載せる候補を経験と提供体制から選ぶ
開業前の経験は「受注の証明」ではない
同調査で開業社労士および社労士法人の社員15,251人に開業前の職業を尋ねたところ、一般企業などの会社員が46.5%で最多でした。社労士事務所または社労士法人の従業員だった回答者は21.0%です。開業前の経験は一様ではなく、全員が社労士事務所で実務を経験しているわけではありません。
過去に人事労務部門を担当していた、特定業種の現場を知っているといった経験は、サービス内容を説明する材料になります。ただし、過去の経験がある分野ほど開業後に受注しやすいという因果関係は、この調査からは確認できません。
経験は「集客できることの証明」ではなく、現時点で無理なく説明・提供できる候補を選ぶために使います。経験の少ない分野を実績豊富であるかのように見せたり、個別事情を確認せず対応可能と表示したりすることは避けます。
候補分野の棚卸し表を作る
ホームページの文章を書く前に、顧問契約、就業規則、助成金支援など、掲載を検討する業務を同じ形式で棚卸しします。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 候補分野 | 顧問契約、就業規則、助成金支援など |
| 担当経験 | 経験した業務、業種、担当範囲 |
| 説明材料 | 提供内容、対応範囲、説明できる事例 |
| 受任可否 | 現時点で受任できるか、準備が必要か |
| 受注形態 | 継続受注かスポット受注か |
| 対応工程 | 受任から完了までに必要な主な作業 |
| 想定負担 | 対応時間、繁忙期、外部確認の有無 |
| 掲載条件 | ホームページ上で明示すべき対象や範囲 |
助成金支援を候補に含める場合、制度の対象になるか、申請できるかといった判断は依頼者ごとの事情によって異なります。ホームページでは適用を保証する表現を避け、具体的な対応可否は有資格者が個別に確認することを明示します。
棚卸しの目的は、候補の優劣をその場で決めることではありません。「説明できるが実務体制の準備が必要」「受任できるが対応時間をまだ把握できていない」など、公開前に解消すべき不足を見つけることです。
最初から一つに決め切らない
得意分野を一つに限定した方が集客成果につながるという事実は、今回確認した資料にはありません。そこで編集部は、開業前後の一人事務所が着手する案として、現時点で説明・受任できる候補を最大3分野程度まで仮設定する方法を提案します。
「最大3分野程度」は公的な基準ではありません。ページ作成、問い合わせ管理、結果の集計を一人でも続けやすくするための編集部による着手案です。3分野分のページを準備する予算や時間を確保できない場合は、1分野から公開し、次の候補を順次追加しても構いません。
着手順序は、次のようにすると整理しやすくなります。
- すぐに説明・受任できる業務を選びます。
- 候補ごとのページと問い合わせ項目を用意します。
- Search Consoleと内部記録の項目をそろえます。
- 公開後の確認日を先に決めます。
- 実測結果を見て、次のページ制作へ予算と時間を配分します。
制作費や所要時間には、ページ数、原稿を自作するか、フォームを新設するかなどによって差があります。今回の一次情報から標準額や標準時間は確認できないため、一律の金額は示せません。予算を決める際は、「サイト全体の完成」だけでなく、「候補別ページの追加」と「計測環境の整備」を分けて見積もると、着手順序を判断しやすくなります。
候補ごとにページと問い合わせ導線を分ける
顧問・就業規則・助成金を一つのページで検証しない
複数業務を一つの長いページに並べると、検索者がどの分野に関心を持ったのかをページ単位で比較できません。候補を検証するなら、少なくとも主力候補ごとに説明ページを分けます。
各ページには、次の内容を置きます。
- どのような企業や相談を対象とするか
- 相談できる内容と対応範囲
- 依頼前に確認したい条件
- 対応のおおまかな流れ
- 問い合わせフォームへの導線
たとえば顧問契約のページを見た人と、就業規則のページを見た人が同じ「お問い合わせ」ボタンを押しても、流入ページを記録できれば候補別に集計できます。フォーム側でも相談分野を選べるようにすると、閲覧したページと実際の相談内容が一致しているか確認できます。
ページには実際に提供できる内容だけを掲載します。対応件数や実績を示す場合も、確認できる事実の範囲にとどめ、専門性や成果を誇張しないことが前提です。
問い合わせフォームでも相談分野をそろえる
計測では、ページ名、フォームの選択肢、管理表の分野名を統一します。ページでは「就業規則」、フォームでは「社内規程」、管理表では「規程業務」と別々にすると、後から集計する際に手間がかかります。
問い合わせフォームには、候補分野の選択肢と、相談内容を記入する欄を用意します。流入ページを自動記録できない場合は、問い合わせが届いた時点で管理表へ記録する運用でも始められます。
ただし、計測のために個人情報を必要以上に取得する必要はありません。候補分野、流入ページ、問い合わせ日、面談・受任の結果など、集客判断に必要な項目へ絞ります。
開業直後は実務と集客を一人で担うため、複雑な管理方法は続かない可能性があります。編集部による着手案としては、週に一度または問い合わせ発生時に記録し、月に一度、候補別の数字を確認する時間を予定へ入れておく方法があります。この頻度は公的基準ではないため、問い合わせ件数と業務量に合わせて調整してください。
Googleビジネスプロフィールは掲載条件を確認する
地域での検索接点としてGoogleビジネスプロフィールを検討する場合は、最初に掲載条件を確認します。Google公式ヘルプでは、原則として営業時間内に顧客と直接対応するビジネスが対象です。顧客が訪問できる実在の拠点、または顧客の場所へ出向くビジネスはプロフィールを作成できますが、オンラインのみで営業するビジネスは掲載対象外とされています。
開業社労士が一律に利用できるわけではありません。対面対応の有無、事務所の実態、住所表示、サービス提供地域を確認し、自分の事務所が条件に当てはまるかはGoogleの公式ガイドラインに基づいて判断してください。
掲載する場合は、実際に使用している事業名、正確な住所またはサービス提供地域、中核事業に合うカテゴリを設定します。登録すれば問い合わせが増えると保証できるものではなく、ホームページとは別の集客接点として結果を記録します。
Search Consoleと内部記録で検索から受任までを測る
Search Consoleで候補別の検索反応を確認する
Google Search Consoleの検索パフォーマンスレポートでは、Google検索における表示回数、クリック数、CTR、掲載順位を確認できます。CTRは、検索結果に表示された回数のうちクリックされた割合です。
データは検索クエリやページなどの単位で分類・絞り込みができます。候補別ページを用意していれば、顧問契約ページ、就業規則ページ、助成金支援ページの検索反応をページ単位で比較できます。関連する検索クエリも確認できますが、プライバシー保護のため匿名化され、レポートに表示されないクエリがあります。
Search Consoleだけで分かるのは、主に検索結果での露出とクリックです。問い合わせ、面談、受任、売上は自動的には分かりません。表示回数の多い分野が、そのまま受任率や利益率の高い分野になるとも限りません。
問い合わせから受任後までを別途記録する
Search Consoleの数字と内部記録を、同じ候補分野名でつなぎます。
| 段階 | 主な指標 |
|---|---|
| 検索 | 表示回数、クリック数、CTR、掲載順位 |
| 問い合わせ | 問い合わせ数、相談内容、流入ページ |
| 面談 | 面談数 |
| 受任 | 受任数、受任率、継続・スポットの別 |
| 提供 | 対応時間、継続状況 |
この表によって、どの段階で結果が分かれているかを確認できます。
たとえば、表示回数はあるのにクリックされない場合は、ページのタイトルや検索結果上の説明が相談内容と合っていない可能性が考えられます。クリックはあるのに問い合わせがない場合は、ページ内の説明、対象顧客、対応範囲、問い合わせ導線を見直す余地があります。
問い合わせはあるのに受任へ進まない場合も、直ちに「需要がない」とは判断できません。相談内容と提供範囲のずれ、ページ上の説明不足、受任体制など、別の要因が考えられるためです。これらはデータから検討する仮説であり、原因を断定するものではありません。
平均単価や利益率について、分野別の全国的な比較データは今回確認できていません。金額面を判断材料にする場合は、自分の事務所で受任額、対応時間、外部費用などを記録して補います。
数字が少ない場合は判断を保留する
主力分野を判断するために必要な最低データ件数や標準的な検証期間について、公的な統一基準は確認できていません。公開直後の数回の表示や、一件の問い合わせだけで「この分野には需要がない」と判断すると、偶然の影響を強く受ける可能性があります。
検証を始める前に、確認日と判断区分を仮設定します。期間は事務所の営業地域、サイトの公開時期、紹介以外の集客状況、問い合わせ件数によって調整します。判断日にデータが足りなければ、候補を削除せず「判断保留」として次の確認日を決めます。
時間が限られる開業前後では、毎日数字を見るより、記録を継続できる頻度を決めることが重要です。週次で記録漏れを確認し、月次で候補別に集計する方法は一つの着手案ですが、成果判定に十分な期間を保証する基準ではありません。
実測結果から主力候補を見直す
継続受注とスポット受注で評価軸を変える
顧問契約と就業規則作成では、受任後の継続性が異なります。同じ月に一件ずつ受任したとしても、事務所の売上構成や業務負担に与える意味は同じではありません。
顧問契約などの継続受注では、契約社数、継続状況、毎月の対応時間を確認します。就業規則の作成・改定や助成金支援などのスポット受注では、問い合わせ数、受任率、一件当たりの対応時間を確認します。
共通して確認したいのは、依頼者へ説明しやすいか、受任後の負担が処理能力に合うか、他の相談につながる傾向があるかという点です。単純な受任件数だけで異なる受注形態を比較せず、継続性と対応負担を含めて見ます。
助成金支援では、制度要件への該当性や個別案件への対応可否をウェブ上の一般説明だけで確定できません。具体的な判断は依頼者の状況と公式情報を確認したうえで、有資格者が個別に行う必要があります。集客ページでは、対応範囲と確認が必要な事項を明確にしてください。
候補を5つの区分に整理する
確認日には、候補ごとに検索、問い合わせ、面談、受任、対応時間を並べ、次のいずれかへ分類します。
- 継続して検証する
- 主力候補として訴求を強める
- 提供体制を見直す
- データ不足のため判断を保留する
- 対応負担などを理由に候補から外す
分類したら、理由と次回の見直し条件も記録します。「問い合わせが少ないため除外」とだけ書くのではなく、「表示回数が少なく判断材料が不足しているため、次回まで継続」「問い合わせはあるが受任後の対応時間を記録できていないため保留」のように、どの数字を根拠にしたかを残します。
検索反応があっても受任率や対応負担が合わない場合は、すぐにページを削除するのではなく、説明内容や提供体制を見直す選択肢があります。一度主力候補にした業務も固定せず、実績に応じて掲載順位、ページ内容、予算配分を更新します。
この方法でも、特定分野で集客できることや収益が向上することを保証するものではありません。分野別の全国的な問い合わせ件数、成約率、平均単価、利益率、開業年数別のウェブ集客成果は確認できていないため、自分の事務所の記録で補うことが前提です。
まとめ
社労士のホームページ集客で主力分野を選ぶとき、全国平均は参考資料になりますが、そのまま自分の事務所の正解にはできません。対応可能な候補を分けて掲載し、検索から問い合わせ、面談、受任、対応時間までを測ったうえで見直す必要があります。
今日から着手するなら、次の順序で進めてください。
- 顧問契約、就業規則、助成金支援などから、現時点で説明・受任できる候補を最大3分野程度書き出します。
- 各候補の経験、説明材料、受注形態、対応工程、想定時間を一枚の表に整理します。
- 着手できる候補から個別ページを作り、問い合わせフォームの選択肢と分野名をそろえます。
- Search Consoleの表示回数・クリック数と、問い合わせ・面談・受任・対応時間を同じ分野名で記録します。
- あらかじめ決めた確認日に、継続、強化、体制見直し、保留、除外のいずれかへ分類します。
まず確認する場所は、Search Consoleの検索パフォーマンスレポートにある「ページ」と「クエリ」です。その数字を問い合わせ管理表と照合し、クリック後に問い合わせや受任へ進んでいるかを確認します。数字が不足していれば結論を急がず、次の確認日まで「判断保留」としてください。
出典一覧
- 全国社会保険労務士会連合会「2024年度社労士実態調査 調査結果(詳細版)」(2024-11)
- 全国社会保険労務士会連合会「『2024年度社労士実態調査』調査結果(速報版)の公表について」(2024-10-15)
- Google Search Consoleヘルプ「検索パフォーマンス レポート(検索結果):概要と基本設定」(確認日:2026-08-10)
- Googleビジネスプロフィールヘルプ「ビジネスの適格性とオーナー権限に関するガイドライン」(確認日:2026-08-10)
- Googleビジネスプロフィールヘルプ「Googleに掲載するビジネス情報のガイドライン」(確認日:2026-08-10)
- Googleビジネスプロフィールヘルプ「事業体向け:Googleビジネスプロフィール追加利用規約」(2025-07-17)
この記事はAIが生成し、編集長のチェックを受けて公開しています。