AI検索の効果はどう測る?士業サイトで追いたい5段階の指標
Search Consoleのクリック数が横ばいになったとき、「サイトの集客がうまくいっていない」と判断してよいのか、迷うことはないでしょうか。AI検索で事務所を知った人が、後から事務所名で検索したり、Googleビジネスプロフィールから電話したりする可能性もあります。しかし、その動きをクリック数だけで読み取ることはできません。
一方で、AI検索への表示回数、電話ボタンのクリック数、相談件数をまとめて「成果」と呼ぶのも適切ではありません。それぞれが示す行動は異なり、数値を足し合わせると、かえって改善すべき場所が見えにくくなります。
YataGarasuは、WEB制作・AI導入を支援する立場の媒体です。本記事では、士業の個別業務や制度上の判断ではなく、AI検索上の可視性から相談・受任までをサイト側でどう計測し、改善判断へつなげるかを扱います。
AI Mode時代もクリック数だけで成果を判断できない理由
Googleは2026年7月、AI Modeが2025年10月の世界展開後に月間アクティブユーザー10億人を超えたと公表しました。また、Google検索のAI機能からウェブサイトへ毎週数十億件のクリックを送っていると説明しています。
ただし、これらは世界全体についての公表値です。日本国内に限定した利用者数や、行政書士、中小企業診断士などの業種別利用率は確認できていません。AI Modeから士業サイトへ送られたクリック数や相談数も不明です。そのため、「日本の士業でも同じ割合で利用されている」「AI Modeの普及によってサイトへのクリックが必ず減る」とは断定できません。
通常検索のクリック数は、利用者が検索結果から実際にサイトへ移動したことを示す重要な指標です。AI検索が普及しても、確認する必要がなくなったわけではありません。
見直したいのは、クリック数そのものではなく、クリック数だけで施策全体を評価する運用です。検索から相談までには、少なくとも次のような行動があります。
- AI検索上でサイトのURLが表示される
- 通常検索でページが表示され、クリックされる
- サイトでフォームが送信される
- Googleビジネスプロフィールから電話や予約の操作が行われる
- 面談を経て受任・契約に至る
クリックは、この過程の一段階です。クリック数が増えても相談につながらない場合がある一方、クリック数が横ばいでも指名検索やプロフィール上の行動が変化している可能性はあります。
ただし、指名検索や電話操作が増えたとしても、それがAI Modeへの表示によって生じたとは限りません。広告、SNS、紹介、地域での認知、季節要因なども影響します。したがって、AI検索時代の評価では「クリックを捨てる」のではなく、「クリックを含む複数の段階を見る」ことが現実的です。
AI検索から受任までを5段階の指標で整理する
編集部では、士業サイトの評価指標を次の5段階に分けて管理する方法を提案します。これはGoogleが定めた士業向けの標準ではなく、小規模事務所でも数値の意味を混同しにくくするための整理方法です。
| 段階 | 指標の例 | 主な確認先 | 判断時の注意点 |
|---|---|---|---|
| 1. AI検索上の可視性 | AI検索インプレッション、表示ページ | Search Console生成AIパフォーマンスレポート | 表示はクリックや相談を意味しない |
| 2. 通常検索での反応 | クリック、インプレッション、CTR、指名系クエリ | Search Console | 指名分類には誤りや欠損があり得る |
| 3. サイト内の相談行動 | フォーム送信完了、予約完了、電話リンククリック | Google Analytics | クリックと完了を分ける |
| 4. 地域検索上の行動 | ウェブサイトクリック、通話ボタン、経路案内、予約 | Googleビジネスプロフィール | 通話成立や相談成立とは限らない |
| 5. 事業成果 | 有効相談、面談、受任・契約 | 問い合わせ管理表、予約台帳、CRM | アクセス解析だけでは確認できない |
第1段階:AI検索上の可視性
Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポートでは、AI OverviewsとAI ModeにサイトのURLが表示された回数である「インプレッション」を確認できます。どのページが表示されたかに加え、国、デバイス、日付別の推移も確認できます。
行政書士事務所であれば、たとえば建設業許可に関するページと在留手続きに関するページを分けて見れば、どの情報がAI検索上で表示されているかを把握する材料になります。
ただし、インプレッションはURLが表示された回数です。利用者がリンクをクリックしたこと、ページを読んだこと、相談したことを示す数値ではありません。
第2段階:通常検索での反応
通常のSearch Consoleでは、検索結果におけるクリック、インプレッション、CTRなどを確認します。主要な業務ページごとに数値を見ることで、検索結果に表示されてからサイトへ移動するまでの反応を把握できます。
Search Consoleには、検索クエリを「Branded」と「Non-branded」に分けるフィルターもあります。事務所名、ドメイン名、固有のサービス名などを含む指名系クエリの推移を、非指名系クエリと分けて観察できます。
ただし、この分類は情報提供用であり、誤分類される場合があります。インプレッションが少ないサイトやサブプロパティではフィルターを利用できないこともあります。また、匿名化されたクエリなどは表に表示されないため、表示された指名クエリの合計を完全な総数とはみなせません。
第3段階:サイト内の相談行動
Google Analyticsでは、事業上重要な行動を「キーイベント」に設定できます。士業サイトでは、次の行動を分けて実装する方法が考えられます。
- 相談フォームの送信完了
- 予約処理の完了
- 電話リンクのクリック
- 問い合わせ導線への到達
重要なのは、フォームの入力開始や送信ボタンのクリックと、送信成功を区別することです。送信ボタンが押されても、入力エラーや通信エラーによって相談が受け付けられていない可能性があります。
Google Analyticsが「相談予約」を自動的に判定するわけではありません。イベント名、発火条件、完了の定義、重複送信の除外は、サイト運営者側で設計する必要があります。実装を制作会社へ依頼する場合は、「どの画面または処理をもって完了とするか」まで共有してください。
第4段階:Googleビジネスプロフィール上の行動
確認済みのGoogleビジネスプロフィールでは、プロフィール閲覧、ウェブサイトクリック、通話ボタンのクリック、経路案内、メッセージ、予約などを確認できます。利用できる指標は業種やプロフィールによって異なります。
ここでも、操作と成果を区別します。「Calls」はプロフィール上の通話ボタンがクリックされた回数であり、通話がつながった件数でも、相談が成立した件数でもありません。予約についても、指標を取得するにはGoogleが対応する予約プロバイダーを利用するなどの条件があります。
また、プロフィールのパフォーマンスデータには自然検索とGoogle広告の双方から生じた閲覧や行動が含まれます。プロフィール上の行動を、そのまま自然検索だけの成果として扱わないよう注意が必要です。
第5段階:事業成果
最終的に確認したいのは、有効相談、面談、受任・契約などの事業成果です。これらはSearch Console、Google Analytics、Googleビジネスプロフィールだけでは完全に把握できません。
たとえば、フォーム送信が10件あっても、対象外の相談や営業連絡が含まれる場合があります。予約が5件あっても、日程変更やキャンセルにより面談が実施されないことがあります。面談が行われても、すべてが受任につながるわけではありません。
そのため、問い合わせ管理表、予約台帳、CRMなどで、少なくとも次の項目を分けて記録します。
- 問い合わせ日
- 問い合わせ方法
- 対象となる業務・サービス
- 有効相談かどうか
- 面談を実施したか
- 受任・契約に至ったか
- 本人が申告した認知経路
認知経路は「何を見て知りましたか」と尋ねて記録できますが、回答者の記憶に依存します。AI検索で見た後に通常検索を利用した場合など、接点が一つとは限らないため、確定的な流入元ではなく補助情報として扱います。
Search Console・GA4・ビジネスプロフィールで何を確認するか
生成AIパフォーマンスレポートで分かること
Googleは2026年6月、Search Consoleに「Search Generative AI performance reports」を導入すると発表しました。Search向けレポートの対象にはAI OverviewsとAI Modeが含まれます。
このレポートで確認できる中心的な指標は、生成AI機能にURLが表示されたインプレッションです。ページ、国、デバイス、日付別に絞り込み、どのページがいつ表示されたかを確認できます。
一方、専用レポートでは次の情報を確認できません。
- 表示につながった検索クエリ
- AI検索からのクリック
- 相談フォームの送信
- 予約や問い合わせ
- 面談や受任
したがって、生成AIパフォーマンスレポートだけで「AI Modeから何件の相談を獲得したか」を判断することはできません。
レポートが表示されなくても設定不備とは限らない
2026年8月2日時点で、生成AIパフォーマンスレポートは一部サイトを対象に段階的にテスト提供されています。すべてのSearch Consoleプロパティで利用できるわけではありません。
公式ヘルプでは、レポートが表示されない理由として、まだ提供対象ではない可能性と、生成AI機能で十分なインプレッションが発生していない可能性が示されています。そのため、管理画面に項目がないことだけを根拠に、Search Consoleの設定ミスと判断しないでください。
利用できない間も、通常のSearch Console、Google Analytics、Googleビジネスプロフィール、問い合わせ管理表を使った評価は続けられます。レポートの提供開始を待って月次確認を止める必要はありません。
指名検索は因果関係ではなく傾向を見る
指名系クエリが増えていれば、事務所名などを知ったうえで検索する人の動きを観察する材料になります。しかし、その増加がAI Modeへの表示によるものとは断定できません。
確認するときは、指名系クエリだけを見るのではなく、同じ期間の広告出稿、SNS投稿、紹介施策、セミナー開催、メディア掲載なども記録します。AI検索インプレッションと指名検索が同時に増えた場合でも、結論は「AI Modeが指名検索を増やした」ではなく、「同じ期間に両方の増加が確認された」とします。
GA4のキーイベントは事務所の定義に合わせる
Google Analyticsのイベント名が設定されていても、実際の相談完了を正しく示しているとは限りません。管理画面で件数を見る前に、次の点を制作会社や解析担当者と確認します。
- フォームの送信成功時にイベントが発火しているか
- 送信ボタンを押しただけで発火していないか
- 完了画面の再読み込みで重複計測されないか
- 予約ボタンのクリックと予約完了を別イベントにしているか
- 電話リンクのクリックを通話成立として集計していないか
フォーム送信完了、予約完了、電話リンククリックは意味が違います。月次報告でも別々の行に置くと、どの段階で利用者が離れているかを検討しやすくなります。
重複集計と因果関係の誤認を避ける
生成AIパフォーマンスレポートのデータは、通常のSearch Console「検索結果」パフォーマンスレポートにあるウェブ検索データにも含まれます。両方のインプレッションを独立した流入数として足すと、重複集計になる可能性があります。
役割は次のように分けます。
- 生成AIパフォーマンスレポート:AI検索上で表示されたページや可視性を確認する
- 通常の検索結果レポート:検索全体の表示やクリックの反応を確認する
- Google Analytics:サイト内で確認できた行動を計測する
- Googleビジネスプロフィール:プロフィール上で行われた操作を確認する
- 問い合わせ管理表・CRM:相談、面談、受任などの事業成果を記録する
また、管理表には指標名だけでなく、何を確認でき、何を確認できないかを記載しておくと、担当者が変わっても解釈がずれにくくなります。
| 表示される指標 | 実際に確認できること | その指標だけでは確認できないこと |
|---|---|---|
| AI検索インプレッション | URLが生成AI機能に表示された | クリック、閲覧、相談 |
| 電話リンククリック | 電話リンクが押された | 通話成立、相談成立 |
| 通話ボタンクリック | プロフィール上の通話ボタンが押された | 通話成立、相談成立 |
| 予約ボタンクリック | 予約導線が押された | 予約完了、面談実施 |
| 予約完了 | 予約処理が完了した | 面談実施、受任 |
| 指名検索 | 指名系と分類された検索の傾向 | AI Modeによる認知との因果関係 |
| フォーム送信完了 | サイト上の送信処理が完了した | 有効相談、面談、受任 |
AI検索インプレッション、指名検索、フォーム送信、受任が同時に増えたとしても、数値だけから因果関係は証明できません。広告、SNS、紹介、ページ更新、繁忙期など、ほかの要因が影響している可能性があります。
数値の変化は「AI Modeの成果」と即断せず、改善仮説を作る材料として扱います。たとえば、特定の業務ページでAI検索インプレッションが増え、その業務への相談も同時期に増えた場合は、ページ内容、検索全体のクリック、広告出稿、SNS投稿などを併せて確認します。そのうえで、相談導線の改善や情報更新を次の施策候補として検討します。
小規模な士業事務所向け月次評価表の作り方
計測ツールの数を増やすこと自体が目的になると、所長や少人数の担当者に確認作業が集中します。最初からすべての指標をそろえるのではなく、現在利用できる環境を棚卸しし、判断に使う項目へ絞ることが大切です。
最初に計測環境を棚卸しする
まず、次の項目を確認します。
- Search Consoleの通常検索パフォーマンスレポートを閲覧できるか
- Branded/Non-brandedフィルターを利用できるか
- 生成AIパフォーマンスレポートが表示されているか
- Google Analyticsで相談関連イベントを計測しているか
- Googleビジネスプロフィールで利用できる指標は何か
- 予約台帳、問い合わせ管理表、CRMのいずれかに相談後の結果を記録しているか
利用できない機能は空欄で構いません。たとえば生成AIパフォーマンスレポートが未提供でも、通常検索、フォーム送信、問い合わせ実績の記録から始められます。
月次で追う項目を絞る
編集部が提案する最小構成は次のとおりです。
| 区分 | 月次で記録する項目 |
|---|---|
| AI検索 | インプレッション、表示ページ(利用できる場合) |
| 通常検索 | クリック、指名系クエリの推移 |
| サイト内行動 | フォーム送信完了、予約完了、電話リンククリック |
| 地域検索 | ウェブサイトクリック、通話ボタンクリック、予約など利用可能な項目 |
| 事業成果 | 有効相談、面談、受任・契約 |
| 変化要因 | ページ更新、広告、SNS投稿、計測設定の変更 |
これらを合計点にはしません。AI検索インプレッションは「回」、フォーム送信は「件」、受任は「件」であり、意味も行動段階も異なるからです。同じ月の数値を横に並べ、どの段階で変化したかを確認します。
目標値や評価期間について、Googleが士業向けの標準を定めているわけではありません。相談件数が少ない事務所では、1か月の増減だけで結論を出さず、3か月程度の推移や前年同月と比較する方法も考えられます。ただし、適切な期間は事務所の相談件数、季節変動、更新頻度に応じて決めてください。
ページ単位で改善候補を選ぶ
生成AIパフォーマンスレポートを利用できる場合は、表示されたページごとに次の点を確認します。
- 情報の更新日は古くないか
- 対象業務や対応範囲が明確か
- 個別事情によって判断が変わる内容を一律に断定していないか
- 問い合わせ方法がページ内で見つけやすいか
- フォーム送信や予約完了を正しく計測できるか
許認可などの要件に当てはまるかどうかは個別事情によるため、所轄庁または該当分野を扱う有資格者による確認が必要です。本記事では制度の適用可否ではなく、個別確認が必要なことをサイト上でどう案内し、相談完了までをどう計測するかを扱っています。
AI検索での表示が増えたページであっても、受任増加を保証するものではありません。まずはページ情報と相談導線を点検し、その後の検索反応、相談、面談、受任を別々に観察します。
今日から行う確認順序
- Google Analyticsで、フォーム送信完了と予約完了のイベントがあるか確認します。
- 実際にテスト送信し、完了時に一度だけ計測されるか確認します。
- 電話クリック、予約完了、面談、受任が別々の項目になっているか、月次表や問い合わせ管理表を確認します。
- Search Consoleの検索結果レポートで、Branded/Non-brandedフィルターを利用できるか確認します。
- 生成AIパフォーマンスレポートがあれば表示ページを記録し、なければ空欄のまま既存指標で運用を始めます。
- 月末に各指標と、当月に行ったページ更新、広告、SNS投稿、計測変更を一枚の表へ記録します。
設定画面の名称や利用可能な機能はアカウントによって異なる場合があります。設定変更が必要なときは、現在のWeb制作会社または解析担当者に、イベントの発火条件と完了の定義を確認してください。
まとめ
AI検索時代の士業サイト評価では、クリック数を不要と考えるのではなく、クリックを含む5段階で確認することが重要です。AI検索上の可視性、通常検索の反応、サイト内の相談行動、Googleビジネスプロフィール上の行動、面談・受任などの事業成果を分けて記録します。
異なる段階の数値は合算しません。また、AI検索インプレッション、指名検索、相談が同時に増えても、AI Modeが原因とは断定せず、同じ期間に確認された傾向として扱います。
今日の作業は、Google Analyticsと問い合わせ管理表を開き、「フォーム送信完了」「予約完了」「面談」「受任」の4項目が分かれているか確認するところから始めてください。次にテスト送信を行い、完了イベントが一度だけ記録されるかを確かめます。生成AIパフォーマンスレポートが未提供でも、通常のSearch Console、Google Analytics、Googleビジネスプロフィール、問い合わせ管理表があれば月次評価は始められます。
数値を増やすことではなく、次の改善判断に使える数値を、意味の違いが分かる形で残すことが最初の一歩です。
出典一覧
- Google「Q2 2026 earnings call: Remarks from our CEO」(2026-07-22)
- Google Search Central Blog「Introducing Search Generative AI performance reports in Search Console」(2026-06-03)
- Google Search Console Help「Generative AI performance report (Search)」(確認日:2026-08-02)
- Google Search Console Help「Performance report (Search results): Common tasks and use cases」(確認日:2026-08-02)
- Google Search Console Help「Performance report (Search results): Dimensions and data groupings」(確認日:2026-08-02)
- Google Analytics Help「About key events」(確認日:2026-08-02)
- Google Business Profile Help「Understand your Business Profile performance and insights」(確認日:2026-08-02)
- Google Business Profile Help「Connect your Business Profile to Google Analytics」(確認日:2026-08-02)
AI生成開示文
この記事はAIが生成し、編集長のチェックを受けて公開しています。
公開日:2026年8月2日
最終更新日:2026年8月2日
執筆・編集:YataGarasu編集部